おかやまアーツフェスティバル2025
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02 OKAYAMA ARTS FESTIVAL 2025 PICK UPドイチュ ■島有美子さんがもう何十年も前に演奏の途中にトークを始めました。ヨーロッパではまず無いコンサート形式なので最初は驚きましたが、風景や人物の描写などのちょっとした情報で、随分日本の聴衆との距離が縮まりました。よりリラックスして聞いてもらえたと思います。森野 確かに、私もよくトークを交えてコンサートをします。今回も皆さんにわかりやすくなるように、曲について少しご案内しましょうか。ドイチュさんのお話も聞けるコンサートなんて世界でもここだけですね!ドイチュ 11月まではまだ時間がありますから、集中して稽古ができると思います。このコンサートをとても楽しみにしていますよ。※1リートはドイツ語で「歌」の意味。ゲーテ、ハイネなど様々な詩人の作品に作曲家が作曲してきた。詩と音楽が一体となり、個人の感情や心情を繊細に表現。恋愛、自然、哲学など様々なテーマを扱う。ピアニストと一対一で創り上げる純粋な音楽の世界。「美咲さんの美しく軽やかな高音は繊細な歌曲作品を歌うのにぴったり。」ドイチュ ロイターは現代作曲家としてだけでなく、良き学長、そして伴奏者でもありました。生前は何度も日本でコンサートをしていたはずです。私自身オフィーリアの歌を演奏するのは初めてなので楽しみ。リストは私の幼少期から最も敬愛する作曲家。家に100冊以上文献があり、過去の私の生徒たち(カウフマン、キルヒシュラーガー、ダムラウなど)にも多くの曲を紹介しました。CD録音も多数しています。シュトラウスは後期ロマン派の作曲家では歌手にとってかけがえのない存在。瑞々しい、美咲さんの魅力が出るプログラムになったと思います。森野 今回は愛の歌や花にちなんだ曲を集めたので、タイトルだけでもどんな雰囲気か想像していただけると思います。ロイターのオフィーリアの歌は、シェイクスピアの《ハムレット》の狂乱のシーンが3つの歌になっています。台詞もあり、とても面白い作品。ドイツ歌曲は一曲が短く、詩がとても大切な要素の一つです。私も自分で作詞をしますが、一つ一つの言葉の美しさが夢のように音楽と溶け合うドイツ歌曲にはうっとりします。プログラムには歌詞の対訳も用意しますが、あまりこだわらずに音楽を自由に楽しんでいただけたら嬉しいです。岡山市出身、活躍著しいソプラノ歌手の森野美咲さん。オペラでの活躍を目にする彼女ですが、今回は得意のレパートリーであるリート(ドイツ歌曲)※1を披露します。欧州で引っ張りだこのヘルムート・ドイチュさんが伴奏ピアニストとして演奏会のために来日し、トークまで聞ける貴重な演奏会となります。岡山の印象など掲載しきれなかったインタビュー全文は、おかやまアーツフェスティバルHPをぜひご覧ください。▶※公演情報はP.11をご覧ください。森野美咲×ヘルムート・ドイチュ〜至高のドイツ歌曲〜PICK UP -111月24日 (月・休)

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